今しか言えないこと。

 

 

久しぶりにブログを更新します。

 

 

ブログを更新していなかった間ですが、私は妊娠しました。

今回のブログでは、それまでの妊活のこと、ではなく今後どうしていくか、どういう心構えで生活していくのか、ということを書いていこうと思います。

 もしよろしければお付き合いいただければ幸いです。

  

 

出産については何があるか本当にわからないので何とも言えませんが、

このままいけば私は来年にはになっています。

なんとも不思議な気持ちです。

妊活をしていたぐらいですので、念願かなってすごくうれしい反面、

しっかりと子育てをすることができるだろうか、という不安もあります。

その前に出産すること自体についてもすごく怖いです。

ですが本当にもうやるしかないので、できる限り前向きに頑張っていきたいと思います。

 

 

忘れたくないこと

 

子供を産んで育てるにあたって、絶対に忘れたくないこと。

それは、子供を授かる前に思っていた自分の気持ちです。

私は運よく27歳で結婚しましたが、3年間子供を授かることはできませんでした。

それには様々な理由があるのですが、デリケートな問題も含まれるのでここには書きません。

3年間、と言ってしまうと短くも聞こえるし、むしろちょうどいいのではないかとも思う期間ですが、

3年後授かることができるとは知らない本人としては時の速さが恐ろしく、また悪意なき周りからの刃に刺されながら、それでも傷ついていないそぶりで過ごすのは辛かったです。

 

少しだけ、私の夫の昔の話になるのですが、夫は過去にレストランで働いていたことがあります。

過去というのは私と出会うより前のことですので、勿論独身時代となります。

そのレストランはそこまで高級というわけではなく、お店の規模も小さく従業員も少なかったため、いわゆる激務でした。

ある日いつものように忙しく働いていると、赤ちゃん連れの家族が食べに来たのですが、

母親は離乳食を出し、店員である夫に対しまるで当然のように「これを温めてください」と言いました。

昔のことなので細かなニュアンスは覚えていないそうですが、「温めてもらうことは可能ですか?」というものではなく、店側がそれを温めることは当然である、といった態度だったそうです。

店長に許可を取ると温めても良い、ということだったので、お店の電子レンジで温めました。

しかし、その離乳食は別のお皿にうつしてから電子レンジにかけなければいけなかった商品だったようで、黒焦げになってしまいました。

勿論夫は当時子供もいませんし、周りに子供がいる知人もいなかったので、そんなことは知りませんでした。

お会計の際、その母親は目に涙を浮かべながら夫にこう言ったそうです。

「こんなに嫌な思いをしたのは初めてです」と。

 

せっかく家族で外食にきたのに、残念なことでしたよね。

久しぶりの外食だったかもしれませんし、もしかしたら何かの記念日だったかもしれません。

その方の気持ちになって考えると、本当に悲しかったのだと思います。

私もこの話を初めて夫から聞かされた際、はじめは「夫よ…」と思いました。

しかし、夫の立場になって考えてみると、夫も嫌な思いをしたのです。

私も数年ほどイートインスペースのあるファストフードでアルバイトをしていた経験がありますが、離乳食を出して食べさせている光景を見たことはあっても、あたためてくださいと言われたことは一度もありませんでした。

夫も初めてのことだったと思います。

当然のように言われ戸惑ったと思いますし、少し嫌な態度が出てしまっていたかもしれません。

そこも含め、その母親も「嫌な思いをした」という気持ちになってしまったんだと思います。

しかし、母親にとって当然のことを、レストランのアルバイトが知っていなければいけないのでしょうか?

どんな態度を取られても、相手が赤ちゃんだったら、いつでも笑顔ですぐに対応しなければいけないのでしょうか?

 彼は赤ちゃんのごはんを焦がしてしまおう、なんて思ってませんでした。

それでも、赤ちゃんのごはんを焦がした「嫌な人」なのでしょうか?

 

今度は私自身の話です。

前回のブログでも少し触れましたが、私は前職を退職してから妊娠するまで、パン屋さんでアルバイトをしていました。

妊娠が分かったとき、すぐにお店の責任者に伝えました。

その方は既婚者ではあるのですがお子さんのいらっしゃらない男性で、妊娠した女性がどうなっていくのか、悪阻がどのようなものであるかを知りませんでした。

私は食べ悪阻で、ものを口に入れている間のみ少し気分が良くなる、といった症状でしたが、

飲み込んだあとすぐにまた具合が悪くなってしまい、立っていることも難しく、何度もしゃがみこんでいました。

特にお腹がすいているわけでもないのに常に何かを食べなくてはいけないことも辛かったですし、お腹が弱い私なので食べすぎることに対して不安もありました。

責任者に食べ悪阻のことを話し、このままアルバイトを続けるのは難しい旨を伝えたところ、「ちゃんとごはんを食べないからだよ~」と笑いながら言われました。

すごく不愉快でした。

 

家に帰って愚痴をこぼしていると、夫に指摘されました。

その責任者の方は社員さんではあるものの本来の店長ではなく、店長が出張でいない間、代理でお店の責任者を任されている方で、そのことを夫も私から聞かされて知っていたので、もし自分が同じ立場だったらどう思う?と言われました。

前職では私も社員だったのですが、いわゆる平社員で役職もなく、勿論責任者ではありませんでした。

もしそんな私が、上司がいない間チームを頼むと任されたとして、

割と入ったばかりの女の子が妊娠したと言ってきたら、と想像しました。

悪意なき刃に刺され続け、そこに触れないようにしてきた私なので、良い思いはしないかもしれません。

しかもまだほかの人には言わないで下さいと言われ、体調が悪いので辞めますと言われたら、きっと困ってしまう。

もしかしたら私も女の子が傷つくような、悪意なき刃を放ってしまうかもしれない。

 

 

正義のはなし

 

ある日夫が私に話しました。

 

子供を授かる前に自分が思っていたこと、感じた気持ち。

例えば電車やレストランで子供が泣いている。子供がはしゃいで道をふさいでいる。

注意をしない親がいる。「子供なのだから仕方ないだろう」と当然のように思っている親がいる。

うるさいなと思う自分に対し、「相手は子供なのにあなたは冷たい人だ」と世間が言っている気がする。

 

何度も言われた悪意なき刃の数々。

結婚をしたら子供がいないとだめなのだろうか。

子供がいない自分はだめな奴なんだろうか。

 

自分が思ったことのある気持ちを、ほかの人が持っていてもおかしくないということ。

そしてそれは一概に冷たい人というわけではないこと。

子供を授かったからといって、突然「そちら側」に立つのは絶対におかしい。

だって、少し前まで思っていたことだから。

 

子供を産むということは素晴らしい。子供を育てている人はすごい。

でも、子供を産んでいなくても、素晴らしい人はたくさんいる。

子供を産むこと、育てていること、それを「正義」とするのは違う

その気持ちを忘れるべきではないと。

 

私は夫のその想いを聞いて、深く共感するとともに、

決してボーダーラインを引くわけではないけれども、自分は、現在の自分と立場の違う人に対して特に思いやりを持つようにしよう、と思いました。

自分がもやもやしたり、嫌な思いをした分、気持ちを分かってあげられる。

あの時の気持ちを絶対に忘れたくないから。

誰かに同じ気持ちをさせたくないから。

 

 

 

ちょっと重たい話になってしまいました。

書いていいものかどうか悩みましたが、想いを文字にすることで、

いい意味で自分を追いつめられるかなと思いました。

このブログを読んだあなた、もし私がいつかこの気持ちを忘れていたら怒ってくださいね。

 

また一部子育てをされている方に対し不愉快に思われるかもしれない文章が含まれていたかと思いますが、

すべての方がそうではなく、また子育てについても様々な事情、考えがあってのことだと思います。

すべての方をひとくくりにした発言ではないこと、またこちら側の勝手な解釈による主観であることを悪しからずご了承ください。

 

 

悲しかったこと、辛かったこと、いわゆるマイナスな部分を、

それもあってよかったんだと前向きに捉えて未来に連れていきます。

人の痛みがわかる優しい子に育つように、自分も成長していきたいです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。